雅工房 『 日々これ好日 』

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2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

たくさんの家族

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ わたしは たくさんの家族の中で育った。 きょうだいは九人いて、わたしは 一番末っ子だった。 「おまんは おとんぼなんで、好き勝手に育った」と、皆によく言われたけれど、さて 確かにそうかもし…

となり町のおばあさん

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ となり町に 母方のおばあさんが一人で住んでいた。 すぐ近くに子供の家族がいたが、一緒に住むのは 気づまりだとかいって、古いが結構広い家に一人で住んでいた。 わたしは はは親の使いで時々訪…

ランプの生活

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ わたしが小学生のころに、家に電気がついた。 町の方では、もっと早くに電気がきていたらしいけれど、わたしらの所は少し離れているから大分遅れたらしい。 それでも、同じ小学校に通ってきている…

楽しみはタコの足

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ てて親が、ウリとかスイカとかナンキンなどを売りに行くと、わたしは一人で瓜小屋の番をしていた。 退屈しながら、虫を捕まえたり、草花を摘んだりして遊んでいたが、てて親が帰ってくるのが待ち…

風を追う

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 瓜小屋へよく行ったが、いつも てて親と一緒だった。 瓜小屋は、ウリやスイカなどを盗まれないように番をする小屋だが、木とむしろで作られた粗末なものだったが、わたしは好きだった。 夏休みも…

蕎麦を打つ

さても このごろは、昔のことが しきりに思い出される・・・ 里の家では、小麦も作っていたが、家でうどんを打つことはあまりなかったが、蕎麦は兄嫁さんが時々作っていた。 兄嫁さんは、石臼をごろごろと長い時間かけて蕎麦の実を挽いて粉にして、それを小…

西山の狸

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 子供の頃のご飯のおかずといえば、まあ 畑で採れるものばっかりだったわ、な。 肉は食べることなど習慣としてなかったし、魚も塩漬けされたものか干物に限られていたが、それも、余程のことでもな…

子供は残酷

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ いたずらもよくしたなあ。 捕まえてきた虫を、穴を掘って入れて、持ってきていたお茶を飲むのを我慢して、その穴の中に流し込んだりして遊んだ。 いま思うと、かわいそうなことをしていたことだ。…

くやしい!

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 悪い人っているもんだなあ。 そう、よく行っていた瓜小屋で、一人で番をしていたときのこと。 ちょうどスイカの収穫の頃で、てて親は 採れたものを町まで売りに行っていた。 暑い昼下がりのことで…

雲と風の匂い

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 子供の頃には 天気予報なんてなかったよ。 テレビはもちろん家にはラジオもなかった。新聞はあったが、さて、毎日配達なんかされていなかったんじゃないかな。 それでも てて親はお天気を当てるの…

おいしい水

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 実家あたりでの生活用水は、井戸水か山からの水だった。 わたしの家には井戸があったので、主にその水を使っていたが、井戸のない家も少なくなかった。 その人たちは、山から引いている水場から …

きりぎりす

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 瓜小屋で一人の時は退屈するので、よくいたずらしたなあ。 スイカのあまり大きなものでなく、てて親が覚えていないようなのをちぎって、中を半分ほどくりぬいて、きりぎりすを二、三匹入れてふた…

野菜の虫とり

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ てて親や はは親について畑へよく行ったが、たいして手伝うことなどなかったなあ。 まだ小さかったから、クワなど使えないし、水くみなどとても無理だった。 まあ、よくした畑の手伝いといえば 野…

スイカと大雨

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ てて親と瓜小屋へ行くのは楽しかった。 家の所帯は兄に譲っていたが、瓜小屋のある一画の畑は てて親が管理していた。ここで作る ウリやスイカやナスなどを一部売って得るものだけが、てて親の小…

ネギの皮むき

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 小さい時から 家の手伝いはいろいろやらされたよ。 兄嫁さんには よくもそんなに次々と用事を見つけ出せるなあ と思うほど用事を言いつけられた。 もっとも、わたしも ずるをしたり 逃げ出したり…

猫は大切

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 子供の頃 里では 猫は大切にされていた。 おカイコなどもいて、ネズミ対策が大切だったから、ね。どこかで子供が生まれるという話が伝わると、あちらこちらから貰い手があり、生まれる前に貰われ…

いつでも着物

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ そりゃあ 子供の頃は いっつも着物だったよ。服なんて、戦争が始まるまで着た覚えがないなあ。 小学校の頃は、下着はお腰だけで いま思うと 冬でも寒い恰好をしていた。 ああ、寒い寒いとは言って…

子守り

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 子守りは よくさせられた。 わたしは おとんぼなので、両親には甘やかされていたけれど、長兄夫婦と一緒に生活していたし、家計の実権は長兄に移っていたので、兄嫁さんから いろいろ用事を言いつ…

山の子

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 運動会なんかで かけっこをすると、山の子は早かったねぇ。そりゃあ とんでもなく早いし、あの子らは いくら走っても疲れないんよ。 わたしは身体は小さかったが、結構すばしこい方だったけれど、…

にぬき

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 里では 鶏を飼っていた。 鳥小屋も あるにはあったけれど、いつも開けっ放しで 放し飼いだったな。それでも 卵は ちゃんと鳥小屋にある巣箱の中で産んでいた。 産んだしりから取られて食べられて…

里の食事

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 子供の頃の食事は、今に比べれば、そりゃあ粗末なものだったよ。でも、物心ついた時から同じようなものを食べていたから、美味しくないとか、嫌いだとか、さんざん文句は言っていたが、別にもっと…

みそまめ

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 里では 大豆も植えていたが、おかずにはしなかったなあ。 うちで作った大豆は、ほとんどが 味噌の原料になっていた。 ああ、わたしらは みそまめ といっていたくらいだからな。 うちで食べる味噌…

馬の上前をはねる

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 里の家では 馬を飼っていた。 うちでは農作業に使うことはあまりなく、兄が運搬用の馬車を引かせて、日銭を稼いでいたようだ。まあ、百姓といっても、田圃があまりなかったから 何でもしなければ…

生まれた家がいい

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 兄の子供が、兄嫁の弟の家にもらわれていった。 わたしより年下の男の子で、その家には子供がなく 早くから話が進められていたらしい。 その子が まだ小学校に入ったばかりの頃のことで、学校が終…

双子のような姪

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 一番上の姪は わたしより一つ年下だったが、ふっくらとして大きいので どちらが年上だか分からないほどだった。 二人は 特別似ているわけでもないと思うんだが、他人さんが見ると よく似ているら…

故郷を出る

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ わたしが里を離れたのは、小学校を卒業した年の夏だった。 数え年で十四歳のときのことだが、今考えてみると、なあ・・・。 少なくとも自分の子供は、よう手放さんわなあ。 でも その頃は、村の子…

三人の姉

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ わたしには三人の姉がいたが、みんなにずいぶんと世話になった。 一番上の姉は、当時大阪南部に住んでいて、わたしが里を離れるときに連れて行ってもらった人。後に和歌山に住み着いたので「和歌…

最初の仕事は織工

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 大阪に出たわたしは、その頃結婚したばかりの長姉の家にしばらく世話になり、その後 泉南にたくさんあった紡績工場の一つに就職し寄宿舎に入った。 勤め先は 家を離れるときから決まっていたもの…

寄宿舎生活

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 一番上の姉に連れられて故郷を離れたわたしは、五日ほど姉の家で世話になったあと、勤めることになっていた紡績会社の寄宿舎に入った。 わたしは ここで四年ほど世話になった。 仕事は まあ 機械…

夕方は辛い

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・ 紡績会社の寄宿舎に入って、最初のひと月くらいは夢中だった。 辛いとか苦しいとか考えている暇もなかったなあ。 それに、この会社へは姉が最近まで勤めていたので、わたしはあまりいじめられなか…