雅工房 『 日々これ好日 』

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2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『枕草子』清少納言さまからの贈り物

『 枕草子 』清少納言さまからの贈り物 何故か最近、枕草子を読みたいとすごく思うようになりました。 そして、少しばかり読み進めてみますと、ますます、枕草子と清少納言という女性の魅力のとりこになってしまいました。 そして今度は、何が何でも全文を読…

春はあけぼの

枕草子 第一段 春はあけぼの 春は、あけぼの。 やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲の、細くたなびきたる。 夏は、夜。 月のころは、さらなり。 闇もなほ。蛍のおほく飛びちがひたる、また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行く…

ころは、正月、三月

枕草子 第二段 ころは、正月、三月 ころは、正月、三月、四月、五月、七・八・九月、十一・二月。 すべて、をりにつけつつ、一年(ヒトトセ)ながらをかし。 正月。 一日はまいて。空のけしきもうらうらと、めづらしうかすみこめたるに、世にありとある人は…

同じ言なれども

枕草子 第三段 同じ言なれども 同じ言なれども聞き耳ことなるもの。 法師のことば。男のことば。女のことば。 下衆のことばには、かならず文字あまりたり。 同じ言葉であっても話す人によって違って聞こえるというのは現在でも同じです。 特に、つまらない人…

思はむ子

枕草子 第四段 思はむ子 思はむ子を法師になしたらむこそ、心苦しけれ。 ただ、木の端などのやうに思ひたるこそ、いといとほしけれ。 (以下割愛) 大切な子を法師にした親は、気の毒なことです。 まるで、法師を木屑のように思う人もあり、たいへんかわいそ…

大進生昌が家に

枕草子 第五段 大進生昌が家に 大進生昌が家に、宮の出でさせたまふに、東の門は四足になして、それより御輿は入らせたまふ。 (以下割愛) 中宮職の三等官である大進 平生昌 ( タイラノナリマサ)の屋敷に、少納言さまが仕える一条天皇の中宮定子様が訪ねら…

上に候ふ御猫は

枕草子 第六段 上に候ふ御猫は 上に候ふ御猫は、かうぶりにて、命婦のおとどとて、いみじうをかしければ、かしづかせたまふが・・・ (以下割愛) 天皇の近くで飼われている御猫は、昇殿可能な五位の位をいただき「命婦のおとど」と呼ばれていました。 大変…

いとうららかなる

枕草子 第七段 いとうららかなる 正月一日、三月三日は、いとうららかなる。 五月五日は、曇りくらしたる。 七月七日は、曇りくらして、夕方は晴れたる空に、月いと明く、星の数も見えたる。 九月九日は、暁がたより雨すこし降りて、菊の露もこちたく、覆ひ…

よろこび奏する

枕草子 第八段 よろこび奏する よろこび奏するこそ、をかしけれ。うしろをまかせて、御前の方に向かひて立てたるを。 拝し、舞踏し、さわぐよ。 お礼を天皇に申し上げる姿はよいものです。下襲の裾を後ろに長く引いて、玉座に向かって立っている姿はすばらし…

定澄僧都の枝扇

枕草子 第九段 定澄僧都の枝扇 今内裏の東をば、北の陣といふ。 梨の木のはるかに高きを、「幾尋あらむ」などいふ。 権中将、「もとよりうち切りて、定澄僧都の枝扇にせばや」とのたまひしを、山階寺の別当になりて、慶び申す日、近衛司にて この君の出でた…

山は小倉山

枕草子 第十段 山は小倉山 山は 小倉山。鹿背山。三笠山。 木の暗山、入立の山。 忘れずの山、末の松山、方去り山こそ、「いかならむ」と、をかしけれ。 五幡山、帰山、後瀬の山。 朝倉山、「よそに見る」ぞ、をかしき。 大比礼山も、をかし。臨時の祭の舞人…

枕草子を読みたい

枕草子 ちょっと一息 『をかし』は、いと『をかし』 枕草子を読みたい。それも、何としても全段を読破したい。その思いだけで、本稿をスタートさせました。 今回は、ちょっと一息入れまして、『をかし』について考えて見ました。 私が使っている古語辞典は、…

市は辰の市

枕草子 第十一段 市は辰の市 市は、 辰の市、 里の市、 つば市。大和にあまたあるなかに、泊瀬に詣づる人のかならずそこに泊まるは、「観音の縁のあるにや」と、心ことなり。 をふさの市、 飾磨の市、 飛鳥の市。 長谷寺(泊瀬)に詣でる人が必ず「つば市」…

峰はゆづるはの峰

枕草子 第十二段 峰はゆづるはの峰 峰は、 ゆづるはの峰、 あみだの峰、 いやたかの峰。 それぞれに対して、譲葉 ・ 阿弥陀 ・ 弥高 の漢字で書いている本もあります。 この三つの峰は、実在のものというより、故事や物語から印象を受けてあげたもののようで…

原はみかの原

枕草子 第十三段 原はみかの原 原は、 みかの原、 あしたの原、 その原。 いずれも実在している場所のようですが、少納言さまは、古歌より選びだされたのだと思われます。 いずれも歌枕として知られていますが、伝えられている写本により内容がかなり違うよ…

淵は かしこ淵

枕草子 第十四段 淵は かしこ淵 淵は、 かしこ淵は、「いかなる底の心を見て、さる名をつけけむ」とをかし。 ないりその淵、いかなる人の、教へけむ。 青色の淵こそをかしけれ。蔵人などの具にしつべくて。 隠れの淵。 稲淵。 淵といいますと、まず かしこ淵…

海は水うみ与謝の海

枕草子 第十五段 海は水うみ与謝の海 海は、 水うみ、 与謝の海、 川口のうみ。 水うみ とは、淡水の海、すなわち湖のことですから、おそらく琵琶湖のことなのでしょう。 与謝の海は、丹後の海であろうと説明されているものがあり、川口の海も、河口湖とも淀…

みささぎは小栗栖の陵

枕草子 第十六段 みささぎは小栗栖の陵 陵は、 小栗栖の陵、 柏木の陵、 雨の陵。 取り上げられている御陵の場所について、いくつかの推定がされていますが、いずれも確定に至っていないようです。 また、「何々は」という幾つかの章段で、三つだけ上げられ…

渡は、しかすがの渡

枕草子 第十七段 渡は しかすがの渡 渡は、 しかすがの渡、 こりずまの渡、 水はしの渡。 「わたり」とは川や海などの渡し場のことですが、これも三つで代表させています。 このうち、「しかすがの渡」は古歌にもある有名なものだったようですが、むしろ、「…

たちは たまつくり

枕草子 第十八段 たちはたまつくり たちは、 たまつくり。 これで、全文です。現代訳のしようもありません。 簡潔といえば簡潔、手抜きといえば・・・、叱られますかねぇ。 「たまつくり」というのは、宝玉で飾ったものを指すのでしょうが、「たち」とは、「…

家は近衛の御門

枕草子 第十九段 家は近衛の御門 家は、 近衛の御門、二条宮居、一条もよし。 染殿の宮、清和院、菅原の院。 冷泉院、閑院、朱雀院。 小野宮、紅梅、縣の井戸。 竹三条、小八条、小一条。 現代文訳は不要の章段です。 家とは、ふつう上流貴族などの大邸宅の…

清涼殿の丑寅の隅の

枕草子 第二十段 清涼殿の丑寅の隅の 清涼殿の丑寅の隅の、北のへだてなる御障子は、荒海のかた、生きたるものどものおそろしげなる、手長足長などをぞかきたる。上の御局の戸をおしあけたれば、つねに目に見ゆるを、憎みなどして、笑ふ。 (以下割愛) 清涼…

魅力溢れる中宮定子

枕草子 ちょっと一息 魅力溢れる中宮定子 「清涼殿の丑寅の角の・・・」に始まる枕草子第二十段は、中宮定子の教養溢れる姿を描いています。 少納言さまが出仕して間もないころの体験が、ゆったりと、そして誇らしげに描写されています。 この時、少納言さま…

生いさきなく

枕草子 第二十一段 生いさきなく 生いさきなく、またやかに、えせざいはひなど見てゐたらむ人は、いぶせく、あなづらはしく思ひやられて、「なほ、さりぬべからむ人のむすめなどは、さじまじらはせ、世のありさまも見せならはさまほしう、内侍のすけなどにて…

すさまじきもの

枕草子 第二十二段 すさまじきもの すさまじきもの。 昼ほゆる犬、春の網代、三、四月の紅梅の衣。 牛死にたる牛飼、ちご亡くなりたる産屋、火おこさぬ墨櫃・地火炉。 うちつづき女児生ませたる。 (以下割愛) 不調和で興ざめなもの。 昼間ほえる犬。春まで…

たゆまるるもの

枕草子 第二十三段 たゆまるるもの たゆまるるもの。 精進の日の行ひ。 遠きいそぎ。 寺に久しく籠りたる。 つい気がゆるんでしまって怠りがちになるもの。 精進の日のお勤め。 当日までに長い期間があることの準備。 寺に長く籠っていること。 どれも、自然…

人にあなづらるるもの

枕草子 第二十四段 人にあなづらるるもの 人にあなづらるるもの。 築地のくずれ。 あまり心よしと、人に知られぬる人。 人に軽んじられるもの。 築地が崩れていること。 あまりにも人が良いと、世間に知られている人。 少納言さまは、人に軽んじられるものと…