2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧
運命紀行 平安王朝のサロンで 康和四年(1102)閏五月、第七十三代堀河天皇が催された「堀河院艶書合」の中に次のような和歌が残されている。 艶書合(ケソウフミアワセ)に詠める、 『 人しれぬ思ひありその浦風に 波のよるこそいはまほしけれ 』 中納言俊忠 …
運命紀行 名声も草枕で聞く 想えば、身を隠すような生涯であった。 神職として各地を訪ねる旅から旅の生活は、皮肉なことに彼の文学的な才能に磨きをかけることとなった。 霊験あらたかな神社に仕える身とあれば、時には敬われ歓待されることもあるが、それ…
運命紀行 沖の石なれど 『 我が袖は潮干に見えぬ沖の石の 人こそ知らねかわく間もなし 』 二条院讃岐と呼ばれる歌人がいた。 この和歌は、小倉百人一首にも加えられている著名な作品であるが、この作品により「沖の石の讃岐」とも称せられたと伝えられている…
運命紀行 琵琶を抱いて 逢坂山は、山城国と近江国との国境にある。 山麓の逢坂の関は、京の都から東に向かう人も、東海道や東山道を経て都を目指す人も、必ず通らなければならない要衝の地である。 行き交う旅人は、厳しい詮議を受けながらも、遥かなる旅路…