雅工房 『 日々これ好日 』

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2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

浦は大の浦

枕草子 第百九十二段 浦は大の浦 浦は、 大の浦。塩釜の浦。こりずまの浦。名高の浦。 浦は、 おほの浦。しほがまの浦。こりずまの浦。なだかの浦。 この段も、古歌などからの引用のようです。 それにしても、少納言さまは、「浜」と「浦」の違いを認識され…

森は殖槻の森

枕草子 第百九十三段 森は殖槻の森 森は、 殖槻の森。石田の森。木枯の森。 転寝の森。磐瀬の森。大荒木の森。 たれその森。くるべきの森。立ち聞きの森。 ようたての森といふが耳にとまるこそ、あやしけれ。森などいふべくもあらず、ただ一木あるを、なにご…

寺は壺坂

枕草子 第百九十四段 寺は壺坂 寺は、 壺坂。笠置。法輪。 霊山は、釈迦仏の御すみかなるが、あはれなるなり。 石山。粉河。志賀。 寺は、 つぼさか。かさぎ。ほうりん。 りゃうぜんは、釈迦仏の御すみかなので、しみじみと感じられます。 いしやま。こかわ…

経は法華経

枕草子 第百九十五段 経は法華経 経は、 法華経、さらなり。 普賢十願。千手経。随求経。 金剛般若。薬師経。仁王経の下巻。 経は、法華経、ありがたいことは言うまでもありません。 ふげんじふぐわん。せんじゅ経。ずいぐ経。 こんがうはんにゃ。やくし経。…

仏は如意輪

枕草子 第百九十六段 仏は如意輪 仏は、如意輪。千手。すべて六観音。 薬師仏。釈迦仏。 弥勒。地蔵。文殊。 不動尊。普賢。 仏は、にょいりん。せんじゅ。六観音(如意輪、千手、聖、十一面、准胝、馬頭)は、すべてありがたい。 やくしぼとけ。しゃかぼと…

書は文集

枕草子 第百九十七段 書は文集 書(フミ)は、文集(モンジフ)。文選(モンゼン)、新賦(シンプ)。 史記、五帝本紀。 願文(グワンモン)。表(ヘウ)。博士の申文(マヲシブミ)。 書物は、白氏文集。文選、中でも新賦がいい。 史記。五帝本紀。 願文(…

物語は住吉

枕草子 第百九十八段 物語は住吉 物語は、 住吉。 宇津保、殿移り。国譲りは憎し。 埋れ木。月待つ女。梅壺の大将。道心すすむる。松が枝。 狛野の物語は、古蝙蝠探し出でて持ていきしが、をかしきなり。 物羨みの中将。宰相に子生ませて、形見の衣など乞ひ…

陀羅尼は暁

枕草子 第百九十九段 陀羅尼は暁 陀羅尼は、暁。 経は、夕暮。 陀羅尼(ダラニ・梵語で唱える真言)は、明け方に聞くのが良い。 経は、夕方。 きわめて簡潔、あっけないような章段ですが、お経を唱えるのも、朝、夕に適性があるというのが面白い。 これは、…

遊びは夜

枕草子 第二百段 遊びは夜 遊びは夜。人の顔見えぬほど。 奏楽は、夜が良い。演奏する人の顔が見えぬころが。 遊びというのは、楽器の演奏をいいます。 「夜が良い」、というのには、夜、灯火のもとでの演奏の方が情緒的だということもあると思うのですが、…

ちょっと一息 ・ その奥にあるもの

枕草子 ちょっと一息 その奥にあるもの ここ、しばらくの間、短い文章が続いています。 何度か述べさせていただきましたが、枕草子の中には、一つの章段がとても短いものが結構あります。そして、短いもののほとんどが「何々は・・」といった形式のものです…

遊びわざは

枕草子 第二百一段 遊びわざは 遊びわざは、 小弓。 碁。 さま悪しけれど、鞠もをかし。 遊技としては、小弓(単に小さな弓ということではなく、「小弓肝要抄」に規定が記されている)。 碁。 格好は悪いが、蹴鞠も面白い。 これは、いわゆる「遊び」のこと…

舞は駿河舞

枕草子 第二百二段 舞は駿河舞 舞は、 駿河舞。求子いとをかし。 太平楽。太刀などぞ、うたてあれど、いとおもしろし。「唐土に、敵どちなどして舞ひけむ」などきくに・・・。 鳥の舞。 抜頭は、髪ふり上げたる目見(マミ)などは、うとましけれど、楽もなほ…

弾くものは琵琶

枕草子 第二百三段 弾くものは琵琶 弾くものは、 琵琶。 調べは、 風香調。黄鐘調。蘇合の急。鶯の囀りといふ調べ。 筝の琴、いとめでたし。 調べは、相府蓮。 弦楽器としては、 琵琶が良い。 楽曲は、 ふがうでう。わうしきでう。そがふのきふ。鶯の囀りと…

笛は横笛

枕草子 第二百四段 笛は横笛 笛は、 横笛、いみじうをかし。遠うよりきこゆるが、やうやう近うなりゆくも、をかし。近かりつるが、遥かになりて、いとほのかにきこゆるも、いとをかし。 車にても、かちにても、馬にてもすべて、ふところにさし入れて持たるも…

見物は臨時の祭

枕草子 第二百五段 見物は臨時の祭 見物は、 臨時の祭。行幸。祭の還(カヘ)さ。御賀茂詣。 賀茂の臨時の祭り。 空のくもり、寒げなるに、雪すこしうち散りて、挿頭の花・青摺などにかかりたる、えもいはずをかし。太刀の鞘の、きはやかに黒う、まだらにて…

五月ばかりなどに

枕草子 第二百六段 五月ばかりなどに 五月ばかりなどに、山里に歩く、いとをかし。 草葉も水も、いと青く見えわたりたるに、上はつれなくて、草生ひしげりたるを、長々とたたざまにいけば、下は得ならざりける水の、深くはあらねど、人などの歩むに、はしり…

いみじう暑き頃

枕草子 第二百七段 いみじう暑き頃 いみじう暑き頃、夕涼みといふほどに、もののさまなどもおぼめかしきに、男車の、前駆遂ふはいふべきにもあらず、ただの人も、しりの簾上げて、二人も一人も乗りて、走らせゆくこそ、涼しげなれ。 まして、琵琶掻い調べ、…

五月四日の

枕草子 第二百八段 五月四日の 五月四日の夕つかた、青き草多く、いとうるはしく切りて、左右になひて、赤衣着たる男のゆくこそ、をかしけれ。 五月四日の夕方、節供に備えて、青々とした菖蒲を沢山、きれいに切り揃えて、左、右に分けて担ぎ、赤い衣を着た…

賀茂へまゐる道

枕草子 第二百九段 賀茂へまゐる道 賀茂へまゐる道に、「田植う」とて、女の、新しき折敷のやうなるものを笠に着て、いと多う立ちて、歌を唄ふ。折れ伏すやうに、、また何ごとするとも見えで、うしろざまにゆく。 「いかなるにかあらむ。をかし」と見ゆるほ…

八月晦、太秦に詣づ

枕草子 第二百十段 太秦に詣づ 八月晦、「太秦(ウズマサ)に詣づ」とて、見れば、穂に出でたる田を、人いと多く見騒ぐは、稲刈るなりけり。 「早苗取りしかいつのまに」まことに先(サイ)つ頃、「賀茂へ詣づ」とて、見しが、あはれにもなりにけるかな。 こ…

ちょっと一息 ・ 田園風景

プチパロディ枕草子 ちょっと一息 田園風景 枕草子には、所々で田園風景が描かれています。少納言さまが見た田園風景といったところでしょうか。 もっとも、少納言さまが農村の風景や庶民の生活などを記録に残されているのは、それを目的として観察されたも…

九月二十日あまり

枕草子 第二百十一段 九月二十日あまり 九月二十日あまりのほど、泊瀬(ハセ)に詣でて、いとはかなき家に泊りたりしに、いと苦しくて、ただ寝に寝入りぬ。 夜更けて、月の、窓より洩りたりしに、人の、臥したりしどもが衣の上に、白うて映りなどしたりしこ…

清水などにまゐりて

枕草子 第二百十二段 清水などにまゐりて 清水などにまゐりて、坂もとのぼるほどに、柴炊く香の、いみじうあはれなるこそ、をかしけれ。 清水などに参るとて、坂下から牛車でのぼっていますと、夕餉の準備でしょうか、柴を焚く匂いがしてくるのが、しみじみ…

五月の菖蒲の

枕草子 第二百十三段 五月の菖蒲の 五月の菖蒲の、秋冬過ぐるまであるが、いみじう白み枯れて、あやしきを、ひき折り開けたるに、そのをりの香の、残りてかかへたる、いみじうをかし。 五月の菖蒲の薬玉を、秋も過ぎ冬も過ぎるころまで残っているのが、すっ…

運命紀行  ただ、導かれて

運命紀行 ただ、導かれて わが国にキリスト教が伝えられたのは、天文十八年(1549)にイエズス会のフランシスコ・ザビエルによってとされるのが定説であろう。 もっとも、五世紀の頃には、すでに中国を経由してその教えの一端は伝来していたという説もあり、ま…

よくたきしめたる薫物

枕草子 第二百十四段 よくたきしめたる薫物 よくたきしめたる薫物の、昨日・一昨日、今日などは忘れたるに、ひき開けたるに、煙の残り香するは、ただ今の香よりも、めでたし。 火取り香炉に衣服をかけて、薫物(タキモノ・いろいろな香をまぜ合わせて作った…

月のいと明きに

枕草子 第二百十五段 月のいと明きに 月のいと明きに、川を渡れば、牛の歩むままに、水晶などの割れたるやうに、水の散りたるこそ、をかしけれ。 月がとても明るい夜、牛車で川を渡りますと、牛が歩むにつれて、水晶などが壊れ砕けているかのように、水玉が…

大きにてよきもの

枕草子 第二百十六段 大きにてよきもの 大きにて、よきもの。 家。餌袋。ほうし。菓子(クダモノ)。 牛。松の木。硯の墨。 郎等(ヲノコ)の目の、細きは女びたり。また、鋺のやうならむも恐ろし。 火桶。酸漿。やまぶきの花。桜の花びら。 大きいのが、良…

短くてありぬべきもの

枕草子 第二百十七段 短くてありぬべきもの 短くて、ありぬべきもの。 頓(トミ)のもの縫う糸。下種女の髪。人の女(ムスメ)の声。燈台。 短くても、その方が良いもの。 急ぎの仕立物を縫う糸。下働きの女の髪。ちゃんとした家の娘の声(言葉少ない方が奥…

人の家につきづきしきもの

枕草子 第二百十八段 人の家につきづきしきもの 人の家につきづきしきもの。 臂(ヒヂ)折りたる廊。円座(ワラウダ)。三尺の几帳。 大きやかなる童女。よき半物(ハシタモノ)。侍の雑仕。 折敷。懸盤。中の盤。 おはらき。衝立障子。撹き板。 装束よくし…