2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧
運命紀行 しづやしづ 『吉野山峰のしら雪ふみわけて 入りにし人のあとぞ恋しき』 静は懸命に舞う。 豪奢な鶴岡八幡宮の舞台も、居並ぶ武者や女房たちの姿は全く見えていなかった。 静がかざす手の先にあるものは、降りしきる雪、雪、雪。 断ち切られるように…
運命紀行 クルスの旗の下に 天正十五年春三月。 明石海峡を望む船上城は、うららかな陽光に包まれている。 開け放たれた城門を出立した長い隊列は、林立する旗や幟を先頭にして西に向かう。 先頭を行く集団の掲げる旗や幟には、鮮やかな深紅のクルスが描かれ…
運 命 紀 行 時の旅びと わたしは旅びと わたしは時の旅びと ゆらゆらと 足もとさえ定まらぬ此方より とどまることなく広がりゆく果てしなき彼方に向かって進む道は 悠久の法則として定められし運命なのか 与えられし あるかなきかの力の限りを尽くした証な…