雅工房 『 日々これ好日 』

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2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

運命紀行  今日を限りの命であれ

運命紀行 今日を限りの命であれ 登花殿において、中宮定子と春宮女御となられた淑景舎原子が初めて対面されたのは、長徳元年二月十八日のことであった。 同母のご姉妹のこととて、お手紙などのご連絡はしばしばなされていたが、輿入れからひと月ばかり経って…

運命紀行  倭しうるわし

運命紀行 倭しうるわし 尊の命は、その役割を終えようとしていた。 ようやく辿り着いた地は、「のぼの」だという。帰り着くべき地は、まだ遥かに遠い。 思えば、戦いに明け暮れた日々であった。 天皇の命令とはいえ、熊襲征討のため西に向かったのは、まだ十…

運命紀行  私を捨てよ

運命紀行 私を捨てよ 『侍は家を立てることが第一。私はもう年をとって老い先も短い。私の身を案ずるあまり、家を潰すようなことがあってはならぬ。万一の場合は、私を捨てよ。私のことなど少しも心に掛けることなく、ひたすら、家を立てることを心掛けよ』 …

運命紀行  今生の暇乞い

運命紀行 今生の暇乞い 大坂の前田屋敷は、前日からの緊張が続いていた。 今やひとかどの武将に成長した利長を中心に、さらに強硬派の次男利政、重臣の村井長頼、奥村永福、片山伊賀らは断続的に軍議を重ねていた。 一時は、「討つべし」といった意見が圧倒…

運命紀行  わが恋まさる

運命紀行 わが恋まさる あれから五日も経ったのでしょうか。 まだ、身も心も納得できない状態なのに、内臣の殿が訪れるという前触れがありました。 私のさざ波のように揺れ動いている気持など誰も分かってくれないのか、新しく付けられた召使ならともかくも…