2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧
運命紀行 美貌の剣士 甲斐姫は、ついに開城を決意した。 小田原城が落ちた後も、唯一北条方として籠城を続けていた忍城であるが、北条氏が滅亡したとあっては、これ以上の戦いは無意味であった。甲斐姫は、継母や二人の妹とも計り開城を決めたのである。 甲…
運命紀行 次の時代を紡ぐ ふと疑問を感じた。 何かが間違っているような気がしてならなかった。都における戦闘は膠着状態となっているも、関東をはじめ全体としては味方有利の展開であるはずだが、何かが自分の意志とは違う方向に動いているように思えてなら…
運命紀行 この命ある限り 妙印尼は馬上の人となった。 夫を見送り、落飾してすでに六年の年月が過ぎていた。ここ桐生城で隠遁の生活に入っていた妙印尼に息子たちの危機が伝えられたのは、天正十二年のことである。 妙印尼は既に七十歳を過ぎていたが、何の…
運命紀行 赤入道出陣す 但馬の国出石此隅山城には、人馬が溢れていた。 京都の風雲は各地に伝えられており、御大将の呼び掛けに、あるいは自ら志願して、ここ但馬の国や隣接する播磨の国からばかりでなく、遠く伯耆や備後、四国からの軍勢も加わっていた。 …