「ぜひ今一度議会の場で活躍させていただきますよう『リベンジ』させてください」
という、絶叫を聞きました。
統一地方選挙の後半戦が始まりました。
残念ながら、今回も無投票での当選者が各地で大勢発生しているようですが、立候補者が少ない場合は、自動的に定数を立候補者より1~2名少なくするという法律なり条例なりを作るわけにはいかないのでしょうか。もっとも、市長選などとなれば、当選者が無くなってしまうわけですが・・。
それはともかく、『リベンジ』という言葉はなかなか便利な言葉のようです。
冒頭の人物の場合は、議員だったのが前回の選挙で落選してしまったので、今回こそは雪辱を果たそうというわけです。
『リベンジ』という言葉は、英語の「revenge」から来ているそうですが、本来の意味は、「復讐、仕返し、報復」といった意味のようで、そのまま直訳して使ったのでは、なかなか使いにくい言葉になってしまいます。
最初の立候補者の演説の場合でも、「『復讐』させてください」などと呼びかけられますと、少し引いてしまいますものねぇ。
わが国で『リベンジ』という言葉が使われるようになったのは、ある格闘競技で「リベンジ・マッチ」というイベントが組まれたのが最初のようです。
これは、多分アメリカのプロボクシングで使われていた言葉を持ち込んだもののようで、アメリカでも、スポーツなどにおいて「雪辱する」という意味でも使われていたようで、「リターン・マッチ」を格好良くいった感じなのでしょうか。
その後わが国では、1999年の新語・流行語大賞に選ばれるなど一時期大ブレークしたようです。
「復讐するぞ」と言われると引いてしまいますが、「『リベンジ』するぞ」と言われると、何だか応援したくなるような響きを持っているような気もしないではありません。
言葉って、使い方次第で、面白い働きをするものです。
ところで、冒頭の候補者は、何に『リベンジ』しようとしているのでしょうね。前回落選したことに対しての『リベンジ』だと思うのですが、「それはあなたの問題でしょう?」という気もしてしまいます。
本来、議員となってどういう仕事をしてくれるのかということが有権者が知りたいところのはずですが、それはそれとして、『リベンジ』という言葉の力に頼ろうとしている感じが見え見えですが、ちょっと引き付けられてしまいました。
同じような現象のような気がするのが、某家具販売店の「おわびセール」です。
おわびすると言っても、誰に何をおわびしようというのでしょうか。「世間をお騒がせしたおわびだ」ということなのでしょうが、世間は勝手に騒いでいただけで、テレビやコメンテーターからは、材料提供料をいただいてもいいくらいなのではないでしょうか。
ところが、そこをぐっと押さえて、「世間におわびいたします」ということを前面に打ち出して「大セール」を企画し、またまたマスコミは大はしゃぎしていますから、きっと、このセールは大成功することでしょう。
「うまくやっているな」と思いながらも、何だか応援したい気持になってしまうのは、やはり、言葉の魅力なのでしょうか。それとも、父親に『リベンジ』を果たしたトップの魅力に惹かれたからでしょうか。
( 2015.04.21 )