俄然お米の値段の行方に興味が湧いてきました。
などと言いますと、時節がら少々不謹慎かもしれませんが、このところのお米の値上がりに腹立たしく思っていましたので、これからの変化に注目したいと思っています。
その切っ掛けは、前農相の失言が有り、それを、まるで鬼の首でも取ったかのように辞職を求める野党議員の声が大きくなったことが発端のように感じます。
一度は続投させるような発言をした石破首相も、野党の動きやお米の値段に対する世論の厳しさをさすがに感じたのでしょうか、失言農相を更迭し、小泉進次郎氏の登場となりました。
昨年のお米が、発表されていた作柄より品質がかなり悪かったようで、品質の良いお米がかなり品薄になっていたのは確かなのでしょう。
そこに、インバウンド効果で国民以外の米食の増加や、おにぎり人気などもあって、消費が増大し、品薄状態が厳しくなったようです。そうしたニュースが流れる事によって、少々値段を上げても売れることを知ってしまった業者は、売り惜しみが始まり、スーパーなどから品切れのニュースが流れ出すと、消費者も手元に置く量を増やしたため、品薄状態に力を貸す事になってしまったのでしょう。
ただ、業界の全くの素人が、ごくごく単純に考えて、肥料や流通経費の高騰が影響があるとしても、「品薄=価格高騰」というのは納得できず、絶好のチャンスとばかり暴利を手にしている輩がいることは確かです。それも、生産者ではない誰かです。
小泉新大臣は、備蓄米をこれまでの入札方式を中止して、随意契約にして、それも小売業者やそれに近い業者に売り渡すことを考えているようで、5キロ2000円で消費者が手にできるようにすると発言されています。放出される備蓄米に関してでしょうから、現在4000円以上している品物が急激に値下がりするとは思われませんが、少々品質が劣っているとしても、2000円のお米がそこそこ出回るようになり、それによって品薄感が解消すれば、各家庭の余剰在庫も減少するはずですから、高値を付けているお米もいつまでも頑張れないでしょう。それに現在溜め込んでいると思われるお米も、あと数か月で古米の仲間入りをするのです。
こうした小泉大臣の発言に対して、「流通を混乱させる」「価格の暴落が起きる」などの発言が聞こえています。予想された通りですが、これまで政府が放出した備蓄米31万トンで、いくらの利益を手にしているかを公表すれば、このところの流通段階での利益の状態が分るのではないでしょうか。
とはいえ、お米の流通は大変難しいことも事実のようです。
まず、生産者の数が膨大で、一生産者あたりの量が少ないこと。お米と言ってもその品種は、銘柄、生産地、品質などによって、実に種類が多いこと。保管や運送の経費も小さくないこと。などから、かなり特殊な製品と言うことになっていると思われ、農協組織が圧倒的なシェアーを占めていて、農業改革などと言う掛け声はあっても、遅々たる動きに変化はないようです。
しかし、米作で言えば、来年は40万トン増産するとのことですが、現在の農地の状況や、従事者の年齢構成などを考えれば、そう遠くない時期に、現状維持さえ困難になることは明らかです。大規模農業への大胆な変換が絶対必要で、小泉大臣の登場は、わが国農産業の在り方を「国家の大テーマ」にしてくれるような期待がしています。
その第一歩のためにも、この数か月のお米の価格に注目したいと考えています。