雅工房 『 日々これ好日 』

関連ブログ 「雅工房『作品集』https://miyabikohboh.hateblo.jp/」 「雅工房『小さな小さな物語』https://miyabikohboh.hatenablog.com/」 

感謝しながら ・ 小さな小さな物語 ( 282 )

私たちの国では、衣替えという風習が広く行われていました。
現在では、それほど厳格な区分はされていないようですが、学校や職場などで制服が義務付けされているところでは、衣替えの期日がはっきりと定められているはずです。
しかし、今年は、節電だとか、クールビズだとか、声だかな音頭のもとに、衣替えという風習がかなり歪み始めているように思われます。


まあ、それがどうしたのか、と言われますと、確かにどうということでもないようです。
むしろ、衣替えなどという風習は、とっくの昔に形骸化してしまっていて、先に述べましたように、制服などにその面影を残しているだけで、私服で厳格に衣替えを意識されている人は極めて少数派ではないでしょうか。
それでも、私たちの国には四季があるため、衣替えという厳格な意識のあるなしに関わらず、日常生活のサイクルとして衣服は自然に衣替えがなされているといえます。


わが家の小さな庭も、衣替えの季節を迎えています。
年末から長らく主役の場を務めてくれていたパンジービオラが交代の時期になりました。花壇に植えているものはまだまだ元気なのですが、鉢植えのものはそろそろ限界となり抜きつつあります。
細長い4m程の花壇があるのですが、そこは、この数年、半年間はパンジービオラにチューリップを加えたもので、後の半年はニチニチソウマリーゴールドを植えることにしています。これらが特別好きだという訳ではないのですが、どれも半年ほど花を付け続けてくれるものですから、世話が簡単だというのが一番の理由なのですが、何年か続けますと、他のものではどうもしっくりしないのです。
年二回のこの花壇の植え替え作業は、私にとっては衣替えの行事なのです。


まだ、チューリップはともかくパンジーなど花を付けているものを抜くのは何とも忍びないのですが、衣替えの季節とあれば仕方がありません。冬の花の少ない時期に頑張ってくれたことに感謝をしながら抜いていきます。
時々、感謝の気持ちを持つことが少なくなってきているような自分に気付いて、愕然とすることがあります。本当は、年齢を重ねれば重ねるほど感謝すべき行為を受けることが多くなっているはずなのです。しかし、実際に感謝の気持ちを抱くことが少なくなっているのは、それだけ感受性が衰えているのではないかと心配になったりします。
ただ、この花壇の衣替えの時だけは、ごく自然に、草花に感謝の気持ちを伝えることが出来るのです。この満たされたような感謝の気持ちの幾ばくかを、家人にも伝えるべきだと思ったりもするのですが・・・。

( 2011.05.24 )