雅工房 『 日々これ好日 』

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細殿に人あまた居て

          枕草子 第四十三段  細殿に人あまた居て

細殿に、人あまた居て、やすからずものなどいふに、きよげなる郎等・小舎人童など、よき包み・袋などに衣どもつつみて、指貫の括りなどぞ見えたる、弓・矢・楯など持てありくに、
「誰がぞ」と問へば、つい居て、
「なにがし殿の」とて、いく者はよし。気色ばみ、やさしがりて、
「知らず」ともいひ、ものもいはでもいぬる者は、いみじう憎し。


細殿(登花殿の西廂)に、女房たちが大勢座っていて、それぞれにおしゃべりしているところに、小ざっぱりとした召使の男や小舎人童(貴族に仕える少年)などが、立派な包みや袋などに着物などを包んで、そしてその包みから指貫の裾をくくる紐などが見えているとか、弓・矢・楯などを持って通るのに向かって、
「どなたのですか」と問うと、ひざまずいて、「某殿のものです」と答えて行く者はよろしい。変に気取ったり、恥かしがったりして、「知りません」と言ったり、物も言わないで行ってしまう者は、たいそう憎らしい。



宮中に仕える女房たちと、郎等や小舎人童などが行き合う姿が描かれています。
ごく短い章段ですが、女房たちが従者などの品定めをしている様子が伺えます。また、少納言さまも、従者などの振る舞いなどから、その主人の人柄や人格を推察することが随所に登場しています。