最近、気になっている言葉があります。『しっかり』という言葉です。
テレビなどで耳にすることがやたら多く、それも何だかうさんくさい発言の中でしきりに使われているような気がしてならないのです。
これ、私だけが感じていることなのでしょうか。
例によって、『しっかり』という言葉の意味を広辞苑で調べてみました。
それによりますと、『①たしかなさま。ゆるぎのないさま。②気を引きしめるさま。気丈なさま。③ぎっしり。たくさん。④市場に活気があり、相場が下落しそうにないさま』とあります。
どの意味でもよく使われますし、どれもまじめな意味を持っています。
私が使っている広辞苑は大分古くなっていますので、別の意味が加えられていないか心配なのですが、他の辞書も大体同じような意味が示されているので、特別な意味が加えられていないようです。
ところが、最近私がよく聞く使い方は、「まるで努力をするかのような、あるいは今後は努力をするかのような」場面で使われているように思えてならないのです。これ、聞き方が間違っているのでしょうか。
以前にこのブログで、『頑張る』という言葉について書かせていただいたことがあります。(No.262他)
この言葉は、私たちが日常よく使う言葉の中でも、とても素晴らしい言葉の一つだと思うのですが、一部の人の考え方が強くなりすぎ、肩身の狭い思いをさせてしまったことがありました。幸い、最近は少なくともテレビなどでは『頑張る』という言葉に対するクレームを聞いていませんのでとてもうれしいのですが、その代わりのように、とても正当な意味で使えないようになりつつある言葉が発生してきています。
例えば、『想定外』『ただちに』などです。すでに、これらの言葉はよほどうまく使わないことには、正当な意味に取ってもらえない状態になりつつあります。
『しっかり』という言葉も、そのような危機に向かっているように思われてなりません。
この言葉は、具体的な状態を補強する言葉であって、隠したり、カモフラージュさせたり、適当にあしらうために使うべきではないはずです。
この言葉も、私たちの「美しい言葉」の一つだと思うのです。どうぞ、守ってください。
( 2011.06.14 )